今日はマジックインク(商標)で絵を描く話…ではなく、絵は魔法のようだという話です。
絵画教室でのある日のこと。わたしのところに来る生徒さんは、家で自主的にがんがん作品を描いてくる方が多いのですが、一人の生徒さんの絵がきれいなんだけど、とっても小さくまとまってしまっている。SNSで投稿していたときから、すごくそれが気になっていたのです。
余計なお世話とは思いつつ、つぶやいてみました。
「最近何か気持ちが煮詰まってない?」
「え?わかります?」という答えが返ってきました。その通りだったようです。その気持ちから抜けたくて、絵の具だして気持ちを出そうとしていたのですが、それがもろに絵に出ていたんですね。
しかしそんな精神状態でも絵と向き合うという姿勢がすばらしい。そしてそこに自分が見えてくるわけです。本人気づかずとも出てしまう。
今まで水彩で表現してもらってましたが、なんとなくアクリルを勧めようと思っておりました。もっと気持ちを強く表せるものがいいんじゃないかと考えた次第。なんとご本人もアクリルやってみたいという気持ちになっていたそうです。
そうなったら話は早い。何せ世界堂がそばの教室ですから、生徒さんはそのまま世界堂に走っていき、うれしそうにアクリル絵の具セットを抱えてかえってきました。
それでもまだちっちゃくちっちゃく色をつけている。ま、今日は本人に任せてみましょうか…と見守ってたんですが、やっぱり気になるんですよ。そこでやおらわたしは他の生徒さんからパレットナイフかりて、「これでね、絵の具ざくっと乗せてみるってのもおもしろいよ」と提案してみました。
これが功を奏して、ザックザックと自由に色を大胆に使い始めました。そしたら生徒さんの口から「楽しいーーーっ! すごく楽しい! なんだかもやもやしてたものが消えていく!」って。
こちらとしてはやったーー!でございます。