自分の当たり前は…

みんなの当たり前ではないということを、絵画教室をするようになってから知ったわたしです。

見たもの、思いついたものをそのまま表現出来る出来ないなどの話ではありません。これは教室を始めたころに私自身が目から鱗だった話です。

パレットナイフでメディウムを左官屋のように塗って行く。自分にはごくごく普通のことなのですが、教室である生徒さんが「できません!削れちゃう!」って叫んだのです。え?なんで?…ってその時は思いましたが、小さい頃から絵具や色んな画材にとどまらず、日曜大工で壁塗りしたりコンクリートの風呂場の床塗り直したり(変な子供)が日常だったので、わたしの脳と手先は直結してしまっているんですね。感覚が刷り込まれているんです。

自分にとっての当たり前を他人様に、ましてや絵を楽しみたくて通ってくる生徒さんに押しつけてはいけないとすごく反省したレッスンの日でした。

その後も、上手く絵具が塗れないという方に「どれどれ」こうやって塗るんだよ…と筆をとったら、どうもうまくいかない…。ああ、筆がアクリル絵具に適してないんだ!…とか、「絵具が足りなくなりました!どうしましょう!?」と質問受けてから、「それはね絵具は最初に思った以上にたっぷり出しておいてね!」などなど、わたしだけが理解していて、ヘルプ!が出てから「先に言ってくださいよ!ですね。」ということが度々出てきます。

上記のように、みなさんが疑問を持つ以前に前もって口で説明せねばならないことも、教室をやり始めた頃から言葉足らずなわたし。しかもボキャブラリーのなさから「それはねぇ…ぐぉぉぉっ!って感じで…」とか、毎回擬音が飛び出します。
みなさんからは「長嶋さんの野球教室みたいだ」と笑いをとってますが、絵画教室とは思えない謎の教室に通い続けてくださるのは有り難いことです。

毎回そんなキャッチボールが続く絵画教室。来週も何が飛び出すか楽しみです。

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