紙!

めっきり冷え込んできましたね。さすがに10月半ば。羽毛布団をひっぱりだしたアーティスト・鳥飼規世(とりがいのりよ)です。

全部「白」い紙です。

本日は紙のことについてさらっとお話します。はい、さらっと!

教室で「画用紙と水彩紙どう違うんですか」と質問されることがあります。画用紙は絵を描くための紙ですから、極論”ほぼ”同じです! 画用紙というと、図画工作で学校から配られた紙を想像しますね。文房具店でも手に入り、安価で助かります。鉛筆画にも適すのでデッサンにも向いています。オールマイティな紙とも言えます。しかし汎用性が高い分、消しゴムかけによわかったり、水彩の特徴を生かした表現や色の表現に欠けるところがあります。

では水彩紙っていったい何?

透明水彩で描いたときに絵の具の特徴を生かし、かつ紙の風合いも生きてくるような紙です。コットンやパルプから作られたものが多いです。

一口に水彩紙といっても、上の画像のように白さもさまざま。特徴もさまざまです。自分でどの紙が自分の作風に合うのか、片っ端から試してみないことにはどれがいいのかはわかりません。

とはいえ、画用紙に比べたら少々お値段のはる水彩紙。ましてや「最高級」となりますと、覚悟がないとなかなか買う勇気すら出ません。

そこでとりあえずといっては何ですが、国産メーカーのものや、国産メーカーが代理店をしているものなど、比較的手に入れやすいものから試してみるのがいいと思います。

手に入れやすいといっても、プロも使っていますから、自分に合う!という紙を見つけられたらラッキーです。

具体的な商品名

紙の酸化防止を施されて作られた紙「中性紙」の表示があるものが高級とされ、長年にわたっての劣化を防ぎ作品の保存性を高めます。そのため作品保存の点を考えると高級紙と呼ばれるものが良いとされています。国産メーカーや代理店があって手に入れやすい紙でも中性紙表示のあるものがたくさんあるので、そこから選べば間違いないです。

コットマン
イギリスのWisor&Newtonの紙が好きだったんですが、いつの頃からかみかけなくなりました。どうやらこれがコットマンと商品名を変えて売られていたようです。日本のマルマンが取り扱っていますが、これまたマルマンがコットマンと同じ紙を仕様していますと「VIFART(ヴィフアール)という名前でコストダウンを図った紙を発売しました。コットマンが英語なのに、ヴィフアールはフランス語?…という突っ込みは横におき、VIFARTがメーカーの言うとおりコットマンと同じ紙だとしたら、大変扱いやすく、発色もよく、お勧めの紙です。
荒目、中目、細目と出ています。

ワットマン
ホルベインが代理店で発売されていた紙です。これまた過去形なんですが、どうやら生産中止となったようです。昔からあるイギリスの紙で、吸い込みが抜群な紙です。塗ったときと乾いた時の色の変化が大きいので慣れが必要かもしれません。ワットマンファンは多かったはずなので残念ですね。しかしながらまだ流通はしているはずなので、画材屋へ急げ!です。

キャンソン
表面の凹凸がはっきりしていて、パステル用としても有名です。真っ白な紙で発色に優れています。そのためか少女漫画家さんに使う方多いですね。色の塗り重ねは不得意な紙ですが、さらっと描く方にはとても表現しやすい紙です。

ワトソン
アイボリーがかったごっつい(?)紙です。とにかく丈夫です!水はじきがつよくごっつい!ので、ざくっとした絵柄の方に向いてます。
ワトソンから出た白い、その名も「White Wtoson」という紙もあります。やはりごっついです!

ファブリアーノ
イタリアの紙。ダ・ヴィンチが使ったとされる紙。純白で発色がよく、きりっとした際の表現にも長けている…とわたしは思います。コットン50%の紙のためか、輸入高級紙とされる紙のなかでは比較的買いやすいお値段です。
 
アルシュ
おフランス製の最高級紙とも言えるアルシュ。絵の具のにじみを防ぐ処理の率が高いのか、にじみにくく乾きにくい代わりにグラデーションに秀でています。高価な紙なのに今なお人気が高いのはその特徴にあると思います。…が、わたしは苦手な紙です。何度試しても「がーーーーーーーーっ!」となり、アルシュに描いて成功した試しがありません。


そんなわけで、水彩紙を選ぶ基本は、自分に合うか合わないかに尽きます。
まだまだたくさんの種類の紙がありますので、画材屋で見本帳などとにらめっこして、少しずつ試していかれてはいかがでしょうか?

次回は、どんな形状の紙を選ぶか書きたいと思います。

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